質問 |
通天閣のあたりにあったというルナパークとはなんでしょうか |
回答 |
『大阪モダン』*1によると明治36年に開催された第五回内国勧業博覧会の跡地に大阪市が天王寺公園を建設し、余った土地を民間会社に貸与して一大娯楽場・新世界が建設されました。そして明治45年7月3日、初代通天閣と共に開業した遊園地がルナパークです。街の北側はパリ、南側はニューヨークのアミューズメントパーク・ルナパークを模し、街の中心にはエッフェル式高塔の通天閣が配置されました。 『明治大正大阪市史1巻』*2にもルナパーク内には動物園やメリーゴーラウンド、飛瀑噴泉、演舞場等のほか、通天閣と白塔の間に索道飛行船が設置され当時としては最も尖端的な遊覧場であったと記述があります。当時の様子を詳しく知るには『大阪新名所新世界写真帖』*3にルナパークをはじめ新世界の各施設の写真と解説が載っています。開業当初は一日平均二万五、六千人の入場者でにぎわったルナパークはその後数回の改造を重ね、『新世界興隆史』*4によると大正14年に別会社に売却され興行街に生まれかわりました。 大阪市立中央図書館では当時の様子を描いた絵はがきを所蔵しており、大阪市立図書館ホームページのwebギャラリー「嗚呼懐かしき新世界」*5でもごらんいただけます。 ちなみに現在、浪速区恵美須東にある通天閣は昭和31年に二代目として再建され、平成18年に開業50周年をむかえました。 |
参考文献 |
*1『大阪モダン』橋爪紳也 NTT出版 1996 書誌ID 0000559889 *2『明治大正大阪市史 1巻』大阪市役所 日本評論社 1934 書誌ID 0070031234 p.790 *3『大阪新名所新世界写真帖』大阪土地建物 1913 書誌ID 0000379723 *4『新世界興隆史』徳尾野有成 新世界興隆史刊行会 1934 書誌ID 0080230556 *5大阪市立図書館のホームページ http://image.oml.city.osaka.lg.jp/image/themes/theme409.html 『新修大阪市史 6巻』新修大阪市史編纂委員会 大阪市 1994 書誌 ID 0000427809 p.843〜845『大阪人 2003年11月号 博覧会シティ・新世界』大阪都市協会 書誌ID 5110615458 |