「商用データベース紹介「理科年表」」
大阪市立図書館に導入されている商用データベースのひとつに「理科年表」があります。理科ときくと、学校の宿題で使うようなものとの印象を受けてしまいますが、勉強に使用する以外にもいろいろな情報が収録されています。例えば、サクラの開花日を調べたい場合、全文検索の画面から「サクラ」とキーワードを入力すると、本文や表の中に「サクラ」という言葉の入ったデータの一覧が表示され、その中に「サクラの開花日」があります。詳細を開くと、おもな都市の開花日がグラフで表示され、開花の早かった年、遅かった年が一目でわかります。どのようなデータが収録されているのか見たい場合は、目次から一覧を表示させることができます。また、50音別の索引からキーワードで引くこともできます。
「理科年表」は、大阪市立図書館各館に設置されている「多機能オムリス」から見ることができます。いろいろな情報が収録されていますので、ぜひのぞいてみてください。
「登場人物から歴史・時代小説を調べる」
新大河ドラマ「江」が始まりました。今回の主人公は浅井長政と信長の妹・お市との間に生まれた江姫です。浅井長政や信長、秀吉といった戦国期の武将が登場するようですが、皆さんそれぞれでお気に入りの歴史人物がいるのではないでしょうか。自分の好きな、あるいは興味のある人物が、どの歴史・時代小説に登場しているのか調べられる本があります。日外アソシエーツから出版されている『歴史・時代小説登場人物索引』シリーズです。お江(江姫のこと)はもちろんですし、卑弥呼や清水の次郎長(博徒)、下田歌子(華族女学校教授)といった、古代から明治・大正期にかけての人物が登場する小説が分かります。さらに作中に出てくる架空の人物についても収録されているので、登場人物の名前はおぼえているけれども、書名や作者が思い出せない、という場合にも活用できます。
「JIS(日本工業規格)のご紹介」
JIS(日本工業規格)をご存知でしょうか?JISとは、工業標準化法(昭和24年法律185号)に基づいて技術的な事柄の統一・標準化を図るために定められた国家規格です。当館ではJIS規格票を所蔵しています。改訂があれば随時新しいものと差替えも行なっています。中央図書館2Fカウンターでお申し出いただければ、貸出はできませんが、閲覧・複写(規格票はすべて。解説は半分のみ。)が可能です。JISの一部を産業別・分野別に編集した『JISハンドブック』については貸出も可能です。JISは普段気づかないところにも使われています。例えば、子どもたちにとって身近な「黒板」や「鉛筆,色鉛筆及びそれらに用いるしん」にもあります。なお、(財)日本規格協会のWEBサイト(
http://www.jsa.or.jp/)(2010/11/28確認)からJIS規格の検索が可能です。規格や特許についてお調べになりたい方は当館作成の「調べかたガイド6 規格・特許」もご参照ください。
「子どもの頃大好きだった本との再会、お手伝いします」
子どもの頃読んだ絵本やおはなしをふと思い出して懐かしく思われることはありませんか。図書館には「題名などを忘れてしまったが、小さい頃に大好きだった本をもう一度読みたい」というご相談がよく寄せられます。あらすじや年代などの手がかりをお伝えください。『児童文学事典』や『世界・日本児童文学登場人物辞典』といった辞典類をお調べするなど、長年子どもの本に接してきた司書がご協力します。また国立国会図書館国際子ども図書館の児童書総合目録を活用したり、大阪府立中央図書館国際児童文学館など他機関とも連携してお調べします。これまで「おばけに男の子が連れ去られる話」「いろんな虫に変身する話」などの質問がありました。懐かしい本と再会できたら、お子さんをお持ちの方は一緒にご覧になってみてはいかがでしょう。お父さんお母さんの、本が好きだという気持ちがお子さんたちにも受け継がれていったら、そして親子のふれあいのひと時に少しでもお力添えできるなら、図書館もこの上なくうれしく思います。
「大阪相撲」
先日、「大阪相撲」の親方についての調べものがありました。大阪相撲の親方は年寄ではなく、「頭取」と呼ばれていて、現在でも、三保ヶ関、陣幕、押尾川、時津風などの年寄名跡として残っています。『大相撲人物大事典』(ベースボール・マガジン社)には、東西合併時の名跡は大阪方は17家、東京方は88家あったと記載されています。この事典では、大相撲の歴史、大阪相撲の番付や入幕力士一覧も見ることができます。なお、『大阪人』2004年6月号によりますと、大阪での相撲興行の始まりは諸説あるが、確実な記録では、元禄15(1702)年、中央図書館近くの、西区の堀江橘通三丁目(現在の南堀江公園付近)での興行が最初とされているとのことです。公園内には「勧進相撲興行の地」の碑があります。
「歴史のお調べには『国史大辞典』」
大河ドラマの解説本や時代小説など歴史ものの本が数多く出版され、ベストセラーにもなっていますが、登場人物の息遣いを追って当時のことを知りたくなるのは、当然のなりゆきでしょう。そんなときにご覧いただきたいのが『国史大辞典』。全15巻からなる日本最大級の歴史百科事典です。先日、「時代小説に出てくる大坂町奉行の在職期間を知りたい」とのお問い合わせがありました。大坂町奉行は、旗本で原則として持高千石以上三千石以下の者から選任された江戸幕府遠国(おんごく)奉行の一つで、東西二人の奉行が、江戸町奉行と同様に一か月交替で執務しました。『国史大辞典』の「大坂町奉行」の項には大坂町奉行一覧があり、歴代の各奉行名や補職年月日などが詳しく記されています。他にも、大河ドラマで有名になった「直江兼続」の項では、兼続の画像や花押(署名の一種)などもご覧いただけます。『国史大辞典』は、今年7月から商用データベースでもご利用いただけるようになりましたので、ぜひご活用ください。
「論文を入手するには?」
先日、クリーンルームの市場調査の参考になる資料はないか、というお問い合わせがありました。科学技術・医学文献を調べられる商用データベース「JDream(ジェイドリーム)Ⅱ」で、キーワードを“クリーンルーム”と“市場”、発行年を最新3年に絞り検索しました。検索結果をご覧いただき、閲覧を希望された論文が掲載されている資料をお探ししました。あいにく当館では所蔵しておりませんでしたので、大学図書館、国立国会図書館等の所蔵状況をお伝えして、複写物の取り寄せのご案内をしました。国立国会図書館へは、個人で郵送の申し込みができます。中央図書館3階相談カウンターもしくは地域図書館のカウンターでお渡しする申込書をご利用いただけます。また、大阪府立図書館をはじめ、郵送複写サービスをおこなっている図書館もあります。雑誌記事や、学術・紀要などに掲載の論文の入手方法については、「調べかたガイド24 雑誌記事・論文を入手するには」をご参照ください。
「この夏、図書館で調べものの楽しさを体験してみませんか?」
語学からご当地ものまで、様々な検定が人気です。先日、大阪検定を受けたという方もおられるのではないでしょうか。大阪市立中央図書館でも、調べものに便利な“商用データベース”にもっと親しんでいただこうと「商用データベース検定」を開催中です。一般部門(入門編・初級編)・中高生部門の3コースがあり、「自分の生まれた日の新聞を見るには?」、「船場汁の作り方は?」など身近な問題をご用意しています。受験方法は簡単です。図書館相談カウンターなどで「商用データベース検定」問題を入手し、利用者用検索端末「多機能OMLIS」で“商用データベース”を使って自由にお調べください。どのデータベースを選択するかが大きなポイントです。問題に隠されているヒントを手がかりにして、いろいろなデータベースをお試しください。解答は、8月20日(金)に館内に掲示、また当館ホームページにも掲載します。夏休みには図書館におこしいただき、調べものの楽しさを味わっていただければと思います。ご来館をお待ちしております。
「昔の新聞記事が検索できます」
図書館では商用データベースが検索できる端末を設置しており、記事検索ができる五大紙(朝日・産経・日経・毎日・読売)のデータベースはよく利用されています。これまでは明治から昭和にかけての古い紙面については、検索できないか重要紙面が見られる程度でした。この4月から朝日新聞の「聞蔵Ⅱ」と読売新聞の「ヨミダス歴史館」で、古い紙面について見出しとキーワードから検索ができるようになりました。そこで、以前にお尋ねがあった中之島公園の創園期について調べてみようと、2つのデータベースで範囲を明治期に設定し「中之島公園」という語で検索してみました。すると「聞蔵Ⅱ」で46件「ヨミダス歴史館」で11件ヒット、紙面そのものの画像で、花火の打ち上げや、懇親会等催しのお知らせ、示威運動の予告など、当時の世相を映した様々な記事を見ることができました。図書館で昔の記事を探索するのが、いっそう便利になりましたので、ぜひご利用ください。
「図書館で就職支援」
近年の厳しい雇用状況を反映してのことでしょうか。履歴書の書き方、資格の取り方、業界のことがわかる本など、就職活動のための資料を探しに多くの方が来館されます。全国の公共図書館では、従来から図書の紹介や講座の開催など、就職に役立つサービスをおこなっていましたが、今年1月から、文部科学省の呼びかけで「図書館海援隊」という取り組みが始まり、あらためて図書館でも継続的に就業支援をしていこうという機運が高まっています。これは、当館を含む有志の図書館が参加するプロジェクトで、図書館で様々な分野の課題解決を支援しようというものです。当館も、今後ますます、あなたのお仕事探しのお力になれるよう努めてまいります。当館所蔵の図書・雑誌だけでなく、データベースや、3階エレベーター近くの「ビジネス関連情報コーナー」に設置している各種パンフレット、そして、今後開催予定のビジネス講座なども、就職活動にどうぞご活用ください。
「和歌の調べ方」
桜がほころぶ季節、「山桜咲きそめしより久かたの…」ではじまるこの歌の続きが知りたい、誰の歌だったろうか、そんなお問い合わせがありました。和歌・短歌を探すツールにはいろいろな事典・索引類がありますが、中でも『新編国歌大観』全10巻(各巻歌集編・索引編の2冊)[角川書店 1983-1992]は、『万葉集』から近世までの和歌を網羅的に収録、和歌の句から、全文や作者を調べることができます。館内の端末でお使いいただけるCD-ROM版では、語彙による検索も可能です。「やまざくらさきそめしよりひさかたの雲ゐにみゆるたきのしらいと」と源俊成の一首が見つかり、『金葉集』の中に収載されていることがわかりました。当館の「調べかたガイド」には、和歌や俳句の調べ方について解説した「和歌・俳句編」が新たに加わりました。図書館ホームページからもご覧いただけます。中央図書館の隣、土佐稲荷でも桜の花が満開を迎えています。花を愛でつつ、図書館で春の一首を楽しんでみてはいかがでしょうか。
「いろいろな地図があります。」
地図はよく使われる資料です。一般的な日本地図、道路地図、住宅地図などの他に、空や海、山にも地図があります。今回はその中でも海の地図『海図』についてご紹介したいと思います。
『海図』とは、安全な航海ができるように水深・底質・岩礁・沿岸の地形・航路標識などを表現した地図で海上保安庁が発行しています。一般的に『航海用海図』を指しますが、他にも『海の基本図』や『沿岸海域地形図』『潮流図』『海洋地質図』など様々な種類があります。先日、海の深さがわかる資料が見たい、というお尋ねがありました。『航海用海図』には航海のために必要な水路の状況、すなわち水深、底質、海岸地形、海底危険物、航路標識、灯台の位置、海潮流の速さや方向などが詳しく記載されていますので、これを見ていただきました。大阪市立中央図書館では『航海用海図』のうち、大阪湾近郊の『航海図』を所蔵しています。『海図』は蔵書検索システムでは調べることができないので、3階相談カウンターでお尋ねください。
「ビジネス情報も図書館で」
図書館にはビジネスで来館される方がたくさんいらっしゃいます。先日、厚生労働省の介護労働者の雇用に関する助成・補助金制度について知りたいというご質問を受けました。まず、厚生労働省ホームページ「事業主の方への給付金のご案内」の、「その他助成金」の項目に「介護労働者の雇用管理改善等」
(
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/index.html)(2009/11/2確認)
がありましたのでご紹介しました。また、「補助金総覧 平成21年度」(日本電算企画 2009)では各省庁が出している補助金が通覧できることもお伝えしました。その他にも「助成団体要覧 : 民間助成金ガイド 2008 」(助成財団センター ワールドプランニング 2008)や「助成財団NPO・市民活動のための助成金応募ガイド : 助成金応募の手引き助成金募集案内 2009」(助成財団センター 2009)も参考になります。仕事で必要なデータや資料集めに、ぜひ図書館をご活用ください。
「商用データベースのご紹介」
大阪市立図書館では28種類(うち5種は中央のみ)の商用データベースを提供しており、図書館に来館していただければ、無料でご利用いただけます。今回はその中から新聞のデータベースを紹介いたします。大阪市立図書館では「朝日」「産経」「日経」「毎日」「読売」の5大紙のデータベースがご利用いただけます。キーワードを入力し検索すると、そのキーワードが入った過去の新聞記事を調べることができます。「前に新聞で見た記事をもう一度見たいけれど、家でとっている新聞はもう捨ててしまった」「何月何日の記事だったかはっきり覚えていない」というときにも便利です。各データベースは大阪市立図書館の情報検索端末(多機能オムリス)から検索していただくことができます。28種類の商用データベースのご案内は図書館ホームページにも掲載しています。
「図書館は仕事に使える」
図書館には、たくさんの本が置いてあります。小説などの読み物はもちろんですが、ビジネスに役立つ様々な統計資料も揃えています。例えば、飲食店の起業を考えている方、外食産業に勤めておられる方が
「仕事の参考になるような資料はないか」
と、図書館に来られた場合には『外食産業統計資料集』をご案内します。600ページ以上におよぶ大部な本ですが、この中に掲載されている統計項目を少しご紹介します。「サラリーマンの平均小遣い額」、「昼食時の外食店での平均支払金額」、「男女別、年齢階級別、朝・昼・夕別、外食メニューの内容構成」等となっています。他にもページを繰っていると、参考となる統計項目がたくさんありますので、外食産業にお勤めの方などには一読の価値があると思います。外食産業以外の分野の統計資料も揃えておりますので、興味をもたれた方は一度、図書館にご来館ください。そして仕事に役立つ図書館をぜひ活用してください。
「『おおさか資料室』のご案内」
図書館ホームページ内の「調べる・相談する」の項目にある『おおさか資料室』では、図書館に寄せられる大阪に関するよくある質問や、各区の図書館がもっている大阪に関する本のリストを掲載しています。「大阪の“通り”と“筋”について」、「大阪市各区ごとの構造別建築物の件数について」など大阪市全般に関するものや、「『難波の綱引』について」【浪速区】、「田辺大根について」【東住吉区】などの各区に関する質問と回答が、区別・分野別にご覧いただけます。また、中央図書館では大阪に関する資料を網羅的に収集していますが、各区の図書館でもそれぞれの区の歴史や地理の本、住宅地図や一枚ものの地図などを所蔵しており、これらのリストも掲載しています。また、小学校などの創立記念誌や学校史も区の歴史を知るのに役立ちます。これらのうち貸出可能なものについてはリスト画面から予約することもできます。(図書館カードとパスワードが必要です。)大阪に関する資料をお探しの際は、『おおさか資料室』もぜひご活用ください。
「メールレファレンスのご案内」
今年3月から、大阪に関するご質問についてのみ、メールでの受付を始めました。大阪市立図書館では特に郷土資料の収集に努めており、以前から電話や手紙でも大阪関係のご質問を多くいただいておりましたが、より簡便にご相談いただけるようにしたものです。これまでに「戦前に大阪市内に住んでいた。当時の住まい付近の地図を見たい」「大阪市のある高校の、全国高校駅伝地区予選の記録を調べているが、昭和50年以前のものがみつからない」などのメールをいただき、当時の地図や大阪版の新聞(マイクロフィルムで所蔵)などでお答えしてきました。今やなんでもまずはインターネットで検索する時代ですが、昔のこととなるとなかなかネットでは情報が得られず、資料で調べることになります。遠くはアメリカや韓国からもメールをいただいております。メールフォームは図書館ホームページからご覧いただけますので、大阪についてのお尋ねはお気軽にメールでもどうぞ。
「最近の事例から」
「ベトナムで日本語学校を開設するにあたって、申請方法など参考になる資料はないか」というご相談がありました。日本語学校の設立方法について記載のある資料は見つかりませんでしたが、ベトナムでの会社設立運営に関する情報として、『Q&Aアジア進出実務ハンドブック』(清文社 1997)『ベトナム進出完全ガイド』(カナリア書房 2008)をご案内しました。JETRO(日本貿易振興機構)のホームページにも会社設立の必要書類や窓口について詳しい記載がありました。また、国会図書館の調べ方案内を調査し、ベトナムの法令検索ができるデーベースがあることがわかり、ご紹介しました。さらに、お問い合わせ先として、在ベトナム日本国大使館をご案内しました。大阪市立図書館では、図書資料をはじめとして、さまざまな分野のデータベースからの情報もお届けしています。館内には28種(うち5種は中央のみ)の商用データベースを無料でご利用いただける多機能OMLISもあります。ぜひご活用ください。
「最近の事例から」
先日、「マキオカ姉妹」が読みたいとのお問い合わせがありました。しかしそのタイトルでは見つからず、お話を聞くと、留学した娘に勧められ読みたくなった、日本の有名な小説だと聞いたが書店で無いと言われたので図書館に尋ねてみた、とのことでした。海外で翻訳されたタイトルの可能性を考え、当館の商用データベース「ジャパンナレッジ」で「Makioka Sisters」を全文検索してみると、「Encylopedia of Japan」の「Sasameyuki」の項目で谷崎潤一郎著「細雪」の英訳題が「The Makioka Sisters」であることを確認できました。「細雪」は大阪を舞台に蒔岡家の四人姉妹が繰り広げる物語で、海外では主人公達の姓からとったこのタイトルの方が馴染みが深いようです。このように「ジャパンナレッジ」には、日本文化を英語で紹介する百科事典「Encyclopedia of Japan」も収録されており、日本文学作品の英訳タイトルの確認に有用です。大阪市立図書館の便利な商用データベースを是非ご活用ください。
「図書館のHPに「調査相談(レファレンス)サービス」のページが出来ました。」
大阪市立図書館のホームページに、「調査相談(レファレンス)サービス」のページを新設しました。「図書館の調査相談ってどんなもの?」、「利用するにはどうしたらよいの?」など、皆さんが疑問に思われる内容についてご案内しています。同ページ上の「こんなご質問にお答えしました!」のコーナーでは、「「大坂」が「大阪」になったのはなぜですか。」など大阪に関するご質問や、「ビジネスシーンのレファレンス事例」などをご紹介しています。また、お一人おひとりの気になるキーワードから調査相談事例を検索していただいたり、レファレンス協同データベース(国立国会図書館が運営)の大阪市立図書館登録事例(約500件)を一覧でご覧いただくこともできます。この欄でも、図書館でお受けしたご相談を紹介していますが、「調査相談(レファレンスサービス)」のページも是非ご覧ください。大阪市立図書館内多機能OMLIS(キーボード付検索端末)でもご覧いただけます。
「競馬法施行規則をみたい」
最近は法令や判例を確かめるために来館される方が増えました。法律が載っているもの…ということでは、まずは「六法全書」が思い浮かびますが、競馬法が抜粋で掲載されていただけで、施行規則はありませんでした。インターネットで提供されている、総務省の「法令データ提供システム」を検索すると両方とも参照することはできます。しかし、冊子体で閲覧したいとのご要望でしたので、この施行規則が農林水産省令によるものであったことから、「農林水産六法」を見たところ、ここに競馬法施行規則が掲載されていました。ところで、それとは別に、法令を網羅的に収録した「現行日本法規」にも掲載されていますが、この資料の50音索引では警備→警務→競馬→競輪と“漢字の字順”で並んでいます。普通の“よみ”で探すと、ケイバ、ケイビ、ケイムとなるところです。「資料には様々な個性、主張がある。これに耳を澄まして!」という先輩の言葉を思い出しました。
「いよいよスタート、裁判員制度!」
5月21日から、裁判員制度が実施されます。裁判に一般市民が参加することで、審理の迅速化と市民の視点・感覚が裁判制度に反映されることが期待されています。裁判員に選ばれる確率は、地域ごとに発生する事件の数によって決まります。警察庁発表の統計によりますと、昨年1月から11月におこった刑法犯罪数は大阪府下で18万6千件。これは東京都に次いで全国2位の多さです。朝日新聞(2008年11月19日)によると、大阪府で裁判員に選ばれる確率は2894人に1人と、こちらは全国トップ。あなたやあなたの身近な人々が裁判員になる可能性は、低くはないようです。これを機に、裁判員制度のことや法律のことを勉強してみよう。そう思ったときには図書館へどうぞ。裁判員制度についての図書や裁判所が作成した広報DVDに加え、大阪市立中央図書館では判例集や法律関係の雑誌を数多く集めており、自由にご覧いただけます。その他にも、大阪市立図書館の全館で法令や判例を検索できる商用データベースがご利用いただけます。
「探しもの一口メモ」
3月に入り、春の訪れが感じられるようになってきましたが、大阪の春の風物詩といえば造幣局の桜の通り抜けです。先日「桜の通り抜けはいつ始まったのか、毎年ずっと行われているのか」というお問い合わせがありました。『近代大阪年表 -明治元年《1868》~昭和57年《1982》-』(日本放送出版協会 1983)の巻末索引で「桜」のところを見ると、「桜の通り抜け開始 明16・4・20、桜の通り抜け中止 昭17・4・18、桜の通り抜け再開 昭22・4・21」とあり、戦時中に中断していたことがすぐにわかります。『近代大阪年表』は索引が充実しており、開始時期などを調べる場合に大変便利な資料です。また桜の通り抜けの歴史については『通り抜け –その歩みと桜-』(造幣局泉友会編 創元社 1996)に詳しく記載されており、始まりについては、当時の造幣局長・遠藤謹助が、明治初めに植えた桜が見頃になってきたので「局員だけの花見では、もったいない。市民とともに楽しもうではないか」と、構内を一般に開放したと解説されています。
「探しもの一口メモ」
図書館では本や雑誌など様々な形の情報を検索できるように、館内には専用の端末を、図書館のホームページ上では蔵書検索システムをご提供しています。これらを使ってタイトルや著者名がはっきりしないテーマなどで資料を探す場合、ひと工夫必要なときがあります。例えば「戦死者の家族がもらう遺族年金」についての蔵書を検索する場合、[タイトル]に“遺族年金”と入力すると3件しかヒットしませんが、検索項目を、タイトルだけでなく目次や内容紹介文も対象となる[全項目と内容紹介など]に替え、さらに、”遺族”と”年金”の間に空白を入れてかけ合わせの検索(AND検索)をすると、260件以上ヒットします。これでは多すぎるので、“遺族”と”戦没者”のかけ合わせで絞込み、有用な資料を見つけました。検索する項目を替える、検索語を別の単語に置きかえるなどは、図書館が提供するCD-ROMやインターネット経由のデータベースを検索するときにも有効です。
「イメージ情報データベース」
大阪ミナミの道頓堀は、慶長19年(1614)に安井道頓により開削されたのが始まりといわれています。江戸時代より、その南側には芝居小屋が集まり、浄瑠璃、歌舞伎が上演され、芝居茶屋などが立ち並びました。明治には戎座、中座、角座、朝日座、弁天座の道頓堀五座が人気を集め、やがて映画やカフェーが流行します。芝居の町として賑わったこうした道頓堀の移り変わりを、図会や写真で辿ってみたいというお問い合わせがありました。当館では大阪関係の写真や絵はがき、貴重な古文書などの所蔵資料を、ホームページのイメージ情報データベースで検索、ご覧いただくことができます。『摂津名所図会』[秋里籬嶌著 1796刊]に「道頓堀歌舞妓戯場」の絵図が、『明治大正昭和の大阪写真集』[1921頃刊]に角座前の写真などが見つかりました。昔の大阪の町並みや風景などをお探しのときには、こうした画像のデータベースが役立ちます。Webギャラリーではテーマに沿った展示もしておりますので、あわせてお楽しみください。
「インターネット活用事例」
「~ミリの雨」がどんな強さなのかイメージできる資料が見たいというご依頼がありました。『日本大百科全書』“雨”の項に「雨の強さの感じと1分間雨量」として簡略に説明した表を確認しました。さらにインターネットを検索すると、気象庁ホームページに「雨の強さと降り方」と題して、1時間の雨量ごとに、予報用語、人が屋内・屋外・車中でどのように感じるか、災害発生状況なども含めてより詳しく解説された表を見つけることが出来ました。インターネットにはたくさんの有用な情報がありますが、その根拠の明確さ等注意すべき点もあります。国や公共団体、企業の公式なホームページなどの情報は管理者や問い合わせ先がはっきりとしており、より信頼性の高い情報だといえるでしょう。また有料の商用データベースも作成者が明らかで内容が管理・更新されているため、信頼性が高く豊富な検索機能を有する情報資源です。大阪市立図書館では28種(うち5種は中央のみ)の商用データベースを無料でご利用いただけます。どうぞお役立てください。
「最近の事例から」
歴史を調べているうちに、不思議に思ったり、さらに詳しく知りたいと思ったことはありませんか?
先日、「斉明天皇(生没年:594~661年)が造ったと言われる酒船石遺跡から天理方面にかけて、10数キロにも及んだという運河について書かれた資料が見たい。」とのお問い合わせがありました。『日本書紀』で、斉明天皇の時勢の出来事を調べたところ、掘るために三万人、石垣を造るために七万人の功夫を動員した大掘削工事であり、これを、当時の人々が謗(そし)って「狂心の渠(たぶれこころのみぞ)」と表現した運河であることがわかりました。酒船石遺跡に関する本にも、「狂心の渠」に関する記述は見つかりました。また、雑誌記事を調べることができる商用データベース「MAGAZINEPLUS」より、雑誌『歴史と旅』の2000年7月号に大規模工事を好んだ斉明女帝に関する記事があることも分かりましたので、ご紹介しました。図書館では、歴史に関する資料も多数そろえておりますので、ご遠慮なくお問い合わせください。
「最近の事例から」
「アルツハイマー患者について調べているのだが、病気と向かい合った生の記録、特に家族の苦労がわかる日記のようなものを紹介して欲しい」というお問合わせがありました。大阪市立図書館蔵書検索から、アルツハイマーについての本を見つけだすことができますが、国立情報学研究所がインターネットで提供している「Webcat Plus」を使って探してみました。このシステムは、連想検索機能があり、検索キーワードから関連性の高い単語も自動で抽出し、それを含む図書も探しだすことができます。ここで見つかった闘病記をご紹介いたしました。「闘病記」とは、病気と闘った方々の手記です。患者さんが綴ったもの、看病されたご家族が綴ったものがありますが、実際に病気と闘った方々の手記は、先人たちの経験や心境を教えてくれます。図書館で配布している「調べ方ガイド11 医療情報の調べかた」には、闘病記を探せる検索サイトも紹介しています。また中央図書館2階にて、闘病記の本を9月29日(月)まで展示しています。
「最近の事例から」
「田んぼのカエルが食べた益虫と害虫の割合を知りたい」というご相談がありました。「既にカエルの生態について書かれた文献をいくつも調査したが見つからない」とのことです。そこで、食と農に関する商用データベース「ルーラル電子図書館」を検索してみますと、『現代農業』〔農山漁村文化協会〕という雑誌に掲載されている二つの論文、「ダイズ畑の天敵・カエルの実力は?」(2002年6月号)・「水田土着天敵・カエルの実力は?」(2003年6月号)が見つかりました。当館所蔵の該当号を確認しますと、「ニホンアマガエル一匹あたりの捕食頭数」と「胃から取り出した未消化エサ動物の種類と出現頻度」の図表がそれぞれに掲載されており、ご案内することができました。ちなみに、このアマガエルの胃の内容物調査は、解剖せずに、草で喉をくすぐって、胃の中の未消化物を吐き出させて調べたそうです。
「最近の事例から」
『埋もれた西区の川と橋』〔伊勢戸 佐一郎 大阪中部ライオンズクラブ 1990]という本の中に出てくる「猪飼薬房」のあった場所がわかる地図のようなものはないか、というご相談がありました。質問者によると、昭和初期に江戸堀の北通か南通の3丁目にあったと思う、とのことでした。昭和初期ということでしたので、その年代の『地番入大阪市図』〔大阪市 和楽路屋 1938〕をみていただき、ご記憶の住所と本の記述を頼りに、阿波殿橋の周辺という見当はつきましたが、店の名前までは出ていません。そこで、あわせて『大阪市及近郊電話番号簿 昭和12年4月1日現在』[大阪中央電話局 1937]を調べると、「猪飼薬房」の名前で「江戸堀南ニノ二八」と載っており、先ほどの地図と照らし合わせて、場所を把握することができました。中央図書館では大阪関係の古い電話帳も所蔵しております。昔のことをお調べになるときには、地図などとあわせて手がかりとなることも多くありますので、どうぞご利用ください。
子どもの時に読んだあのお話、ふとまた読み返したくなる時がありませんか?けれど、タイトルが思い出せない…、そんな時は図書館の出番です。「20年以上前、読んだお話で、足が悪くて遠足に行けない女の子と、貧しくて遠足に行けない女の子が工夫して遠足に行けるようになった話を探している」とのご相談がありました。国際子ども図書館の蔵書検索システムでは、あらすじからの検索が可能です。キーワード「遠足」で検索し、検索結果一覧を見ながら該当しそうな資料の現物をひとつずつあたっていきました。今回お探しの資料は『現代日本の童話6 ふたりだけの遠足』〔小峰書店 1970〕に収録されている二人の男の子が主人公の「ふたりだけの遠足」というお話でした。このように微妙に覚え違いをされている場合もあり、なかなか見つからないこともありますが、お探しの資料が見つかった時は喜びもひとしおです。図書館でお尋ねの際は、お話を読んだ年代等細かく思い出していただけると資料が見つかりやすいと思います。
「図書館どうしで協力して皆様のご質問にお答えします」
地域図書館で解決できなかったご質問は、中央図書館と協力してお答えしています。先日、地域図書館から、安来節の振り付けを探してと中央図書館に相談がありました。「民謡」等のキーワードで調べると『日本民謡の踊り方』などに女おどりが、『日本民謡舞踊全集 西日本編 』 には、楽譜と女おどり・男おどりの踊り方解説があるのが見つかりました。全国の図書館の調べ物の例を集めた国立国会図書館のサイト「
レファレンス協同データベース」を検索し、埼玉県立図書館の例で『日本民謡と踊り方』に図解と楽譜・歌詞が載っていることもわかりました。この本は大阪市立図書館にはありませんでしたが、大阪府立図書館から借り受け、ご質問者に当館資料と併せてお渡ししました。
なお、今後安来節の踊り方を探される方のため、埼玉県立図書館に当館の調査内容をお伝えし、追加情報として載せていただきました。このように図書館では協力し合って皆さんのご質問にお答えしています。
「最近の事例から」
「昭和2年4月に大蔵省の新庁舎を建設するのに平将門の首塚を壊したため、たたりをおさめるのに慰霊祭を行ったらしいが、それに関する新聞記事を探したい」というご相談がありました。その月の『朝日新聞縮刷版』を確認しましたが見つからず、インターネットの検索エンジンを利用し、神田明神のサイトで昭和3年に大蔵省構内で慰霊祭が斎行されるという記述を見つけました。『朝日新聞縮刷版 昭和3年3月』を確認いたしますと、3月27日の夕刊2面に「将門の霊よこの通り謝る」という見出しで記事が掲載されておりました。このご質問の経過は、国立国会図書館と大学図書館、公共図書館が調べものや探しかたの事例蓄積を行っている「
レファレンス協同データベース」にて公開しており、みなさまにもご覧いただけます。なかなか解決に至らないお調べものを抱えている方も、「レファレンス協同データベース」で探しかたの糸口が見つかるかもしれませんね。