鶴見区は、淀川と旧大和川の沖積作用により形成された低湿地帯であることから、特に鶴見区北東部の茨田地域は大阪の伝統野菜である河内蓮根の一大産地で、のどかな田園地帯でした。
『鶴見区昔ばなし』によると、茨田地域の中でも諸堤村(諸口、横堤)は阪奈道路ができた頃から発展していきましたが、阪奈道路の北側は昔のままであったそうです。『角川日本地名大辞典 27 大阪府』の「阪奈道路」の項には「昭和34年6月10日に全線開業した」とあります。鶴見区が発足した昭和49(1974)年刊行の『大阪市精密住宅地図 鶴見区 -全商工住宅案内図帳- [昭和49年]』でも、区の北東部を中心に水田の地図記号が見られます。
その後、農地の宅地化による集合住宅の建設が進み、特に阪南道路北側にあたる茨田西・茨田北・茨田東の地域は1990年代後半以降人口が増加してきたことが、『鶴見区30年のあゆみ -鶴見区制30周年記念誌-』に掲載されている「鶴見区の連合別人口・世帯数の推移」からも見てとれます。(2022.3.3. 鶴見図書館)
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