『港区誌』によると、港区内に戦前多数あった公設および私設の市場は戦時中の空襲によってすべて焼失、幸運橋市場は昭和26(1951)年に私設小売市場として創設されました。『大阪優良市場名鑑』には、昭和35(1960)年5月に新築が完成し、「まこと堂々たる店頭側がガラス壁面というアメリカンスタイルのデパート様式の店舗構成になっており、お客は連日たちこむ商況で好感を与へている。新しい店舗はしぜん楽しい買物気分をしげきし活気あるフンイキを作り出す。」と記載されています。また、市場内には「キムラ醬油店」「べにや支店」「清芳園茶舗」「魚政」「古本漬物店」「青柳かしわ玉子店」があったことがわかります。（2023年11月24日　港図書館）

　『パンと昭和』によると、「一九三一年（昭和六）、札幌市で創業した「ロバパン石上商店」は、ロバに曳かせた幌付きの可愛い荷車でパンを売り歩く“ロバのパン屋さん”を始めた。」とあります。また同書に「ロバのパン屋さんが昭和の風物詩となるほど広まったのは、昭和三〇年代（一九五五～）のことである。」とあり、ちょうど、投稿者が港区内でのロバのパン屋さんを見かけた時期に広まったようです。（2023年11月24日　港図書館）

　幸運橋市場近くの広場の夜店について書かれている資料は、残念ながら見つけることができませんでした。思い出の夜店と同じものかどうかはわかりませんが、昭和31(1956)年発行の『港区誌』に「夜店　現在夜店としては次のものがある。　一、六の日　夕凪橋　市電夕凪橋」との記載があります。また、少し年代は違いますが、『平日・夜店案内-昭和25年7月調-大阪府下阪神編』に「市岡夕凪橋　夜店　港」の項目があり、1日、6日、11日、16日、21日、26日と記載があるので、昭和25年当時、6日は夜店の日だったようです。

　夜店と直接の関係はありませんが、思い出の7年後に出版された『大阪市全商工住宅案内図帳 港区 昭和39年版』によると、当時の幸運橋市場あたりには、「新地温泉」、「みなと商工くらぶ　港工業会」などがあったことがわかります。　(2022年５月18日　港図書館)

• 『港区誌』大阪市港区役所/編集 大阪市港区創設三十周年記念事業委員会 1956 書誌ID 0000244951 p.182
• 『平日・夜店案内-昭和25年7月調-大阪府下阪神編』移動店舗新聞社 [1950] 書誌ID 000291190
• 『大阪市全商工住宅案内図帳 港区 昭和39年版』[吉田地図] [2006] 書誌ID 0011167524 住宅協会出版部 1964年刊の復刻 p.15

　私が大学生の頃、朝潮橋駅から降りて、どこの路地かわかりませんが、テキ屋さん(露天商)がいっぱい出ていて、その内の一つの花火屋さんでアルバイトをしました。そう、42-43年前です。(当時は何もわからず、)夕方5時から10時までの5時間で￥5,000円でした。しかも、即金。アルバイト情報誌を見て面接に行きました。恐かったけど、お金の力はスゴイ。

奈良から通ってきました。20才の夏の頃です。

　朝潮橋駅付近の露天商について書かれている資料は、残念ながら見つけることができませんでした。余談ですが、投稿者がアルバイトをされていた当時、朝潮橋駅前にある八幡屋公園は大阪国際見本市の会場の一つでした。八幡屋公園は、昭和31(1956)年から昭和60(1985)年にインテックス大阪に会場が移るまで、大阪国際見本市の会場として利用され、昭和37(1962)年に開催された第5回大阪国際見本市には、他の会場も含めて来会者がなんと200万人を突破しました。ちなみに、昭和47(1972)年から平成6(1994)年までは子どもたちが楽しめる交通公園もありました。　(2022.2.8　港図書館)