令和5年11月8日(水)・9日(木)に学校司書を対象に下記の3つのテーマで「学校司書テーマ別研修」を行いました。
<研修テーマ>
A:授業での学校図書館の活用 B:情報センターとしての学校図書館 C:読書へのアニマシオン
「C 読書へのアニマシオン」について研修概要と当日の様子を紹介します。
「A 授業での学校図書館の活用」の様子はこちら
「B 情報センターとしての学校図書館」の様子はこちら
【C 読書へのアニマシオン】
本を読む習慣、読解力、コミュニケーション能力を養うための読書指導方法である「アニマシオン」のやり方を解説し、ワークショップを行いました。
まず、M・M・サルト著『読書へのアニマシオン75の作戦』(柏書房)をおさらいし、実践に移りました。
最初に「作戦55 聴いたとおりにします」に取り組みました。アニマドールが読むお話に合わせて、動きをつけてもらいます。使用した絵本は、西村敏雄作『もりのおふろ』(福音館書店)です。参加者は、子どもになったつもりで、絵本の読みに合わせて、動作をします。全員が背中をゴシゴシ擦る動きをつけて、盛り上がりました。そのあと、グループのテーブルに置いた3冊の絵本をもとに、グループのメンバーが交代してアニマドールになって、グループ内で絵本に合わせた動きをつけ、どのグループも楽しく活動できました。
つぎに、「作戦43 みんなの記憶」に取り組みました。谷川俊太郎の詩「わたし」(『みえる詩 遊ぶ詩 聞こえる詩』富山房より)を黙読した後、数行ごとに切り分けた短冊をグループごとに配布しました。ランダムに配布された短冊をグループの代表が前に整列して、自分の詩の断片が、どの順番になっているのかを元の詩を思い浮かべながら相互に相談を加えて元の詩を再現します。これが「みんなの記憶」となります。みんなで決めた順に並び終えて、順に読むと、さてさて元の詩になるでしょうかというところがこの作戦のねらいです。
その後、テーブルにおかれた3つの詩、武鹿悦子「コスモス」(『雪の窓』大日本図書株式会社より)、川崎洋「とる」(『みえる詩 遊ぶ詩 聞こえる詩』富山房より)、神沢利子「みずたまり」(『おやすみなさいまたあした』のら書店より)を使い、全体での実践に倣って、グループ内で体験しました。
研修中、参加者から谷川俊太郎の詩「わたし」について、気になる表現があると指摘がありました。学校で実践するときに作品を選ぶ場合は、学校の先生などとしっかりと打ち合わせることが大切だと付け加えたいと思います。

