幼いころからずっと遊び場だった三津屋東公園(通称ひがこう)。遊具のブランコや高い鉄棒、馬の乗り物などが色々ありました。また大きい広場や背の高い木などがあり、野球、ドッジボール、木登りなどたくさん遊びました。
　小学校、中学校、高校と上がっていき、公園へ行く回数は減っていきましたが、公園の前を通るたびに、ブランコが変わっていたり、馬の乗り物がなくなったり、鉄棒が低くなったりしていきました。最終的には2018年の台風21号によって、背の高い木が倒れてしまっていて、撤去されてしまい、少し寂しさを覚えました。

　三津屋東公園は、大阪市淀川区三津屋北1丁目に位置し、昭和53(1978)年4月1日に開園しました。三津屋東公園については淀川区の思い出「三津屋東公園は大五栄養化学株式会社跡地」もご参照ください。
　平成30(2018)年の台風21号は9月4日に上陸し、日本各地に被害をもたらしました。大阪市建設局の報道発表によると、公園内の樹木の倒木は約740公園、約5,050本に及びました。『朝日新聞』の記事では大阪市内のほか、各地の被害状況が紹介され、被害の広さが分かります。（2023年12月6日　淀川図書館）

• 大阪市ホームページ　都市公園一覧表(令和5年4月1日現在)　https://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000372135.html　(2023年10月27日確認)
• 国立国会図書館ホームページ　WARPインターネット資料収集事業「大阪市ホームページ　報道発表資料　台風21号による建設局所管の道路・公園等の被害状況について（最終報 2018年9月26日）」　　https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11490024/www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kensetsu/0000447981.html　(2023年12月6日確認）
• 『朝日新聞 2018年9月9日 朝刊 大阪』30ページ「飛ぶ屋根・倒木、停電拡大 電柱800本超が損壊・現場近づけず 台風21号」（商用データベース「朝日新聞クロスサーチ」でご覧いただけます）

　日清食品ビルの場所には、大光という日活の映画館があり、子供心に家族に連れられて真っ暗い中で舟木さんの絶唱とか石原裕次郎の映画をみていて、私は小さいので酢こんぶの香りと共に暗やみが怖かった。
　切符をみせて入場すると、浅岡ルリ子さん、石原さん、小林旭さんの大きなブロマイドが飾ってあった。

　昭和38(1963)年に刊行された地図を確認すると、西中島町四丁目に「大光映画劇場」を確認することができます。『東淀川区史 -現淀川区・東淀川区-』によると、大光映画劇場は昭和30(1955)年8月25日に創立しました。
　酢こんぶは、酢などの調味料などでこんぶを味付けしたお菓子です。大阪府堺市の昆布菓子製造販売会社の社長のインタビューによると、映画館や鉄道に目をつけて販路を拡げたとあります。
　日活は日本の映画制作です。舟木一夫主演の『絶唱』は、昭和41(1966)年に公開されました。浅岡ルリ子、石原裕次郎、小林旭も日活の映画に主演しています。
　昭和52(1977)年4月に日清食品ビルが竣工しました。（2023年10月29日　淀川図書館）

• 『大阪市全商工住宅案内図帳 東淀川区 -西部- 昭和38年版』[吉田地図] [2006] 書誌ID0011163430　p.71
• 『東淀川区史 -現淀川区・東淀川区-』[川端直正/編集] 市民日報社 1987 東淀川区創設三十周年記念事業委員会 1956年刊の復刻版  書誌ID0010814912  p.413
• 『朝日新聞 2017年11月25日 朝刊 大阪』24ページ「（近畿の底ぢから）「都こんぶ」の中野物産　「魔法の粉」逆境の産物」（商用データベース「朝日新聞クロスサーチ」でご覧いただけます）
• 『日活100年史』日活 2014 書誌ID0013185048 p.100-107
• 『日清食品50年史 -1958-2008- [2] 創造と革新の譜』日清食品株式会社社史編纂プロジェクト/編集 日清食品 2008 書誌ID0011745203 p.40

　現在、三津屋東公園になっているところは40数年前には「大五栄養」という会社の工場があった。夕方4時頃になると、大きな風呂場の中から、仕事の汚れと疲れを洗い流す若い工員たちの大きな話し声や歌う声がきこえて来ました。その後、大阪市の公園が出来て、近所の人たちは大喜び。最初のうちは公園の土が「赤土」で、子供たちの服や靴下に赤土がつくと染まって困りました。ゲイラカイトが流行って、大人も子どもたちもたこ揚げをしてました。阪急神戸線神崎川駅から少しだけ南側の線路沿いです。ボールが線路に入ると子どもたちは平気で拾いに線路に行くので、フェンスが出来ました。

　三津屋東公園は、大阪市淀川区三津屋北1丁目に位置し、昭和53(1978)年4月1日に開園しました。三津屋東公園については、淀川区の思い出「三津屋東公園(通称ひがこう)が幼い頃からの遊び場だった」もご参照ください。
　「大五栄養」とは大五栄養化学株式会社をさし、かつて存在した製薬会社です。昭和62(1987)年10月に日本製薬と合併し、解散しました。
　昭和49(1974)年に刊行された精密住宅地図には、三津屋北一丁目に大五栄養化学の三津屋分工場が記載されています。昭和58(1983)年に刊行された精密住宅地図では、三津屋分工場の跡地が三津屋東公園に変わったことが確認できます。
　ゲイラカイトは洋凧のことで、昭和48(1973)年に発売され、昭和49(1974)年ころにブームになりました。ブーム期には電線へのひっかかりなどのトラブルなどが続出したようです。当時、ゲイラカイトの輸入を行っていた方のインタビュー記事が朝日新聞に掲載されています。(2023年10月27日　淀川図書館)

• 大阪市ホームページ 都市公園一覧表(令和5年4月1日現在) 　https://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000372135.html　(2023年10月27日確認)
• 日本製薬ホームページ 沿革　https://www.nihon-pharm.co.jp/company/history.html　(2023年10月27日確認)
• 『日経産業新聞 1987年4月15日』19ページ「武田薬品系製薬2社、10月に合併。」（商用データベース「日経テレコン」でご覧いただけます）
• 『大阪市精密住宅地図 淀川区 -全商工住宅案内図帳- [昭和49年]』[吉田地図] [2007] 1974年刊の復刻 書誌ID 0011421860 p.37
• 『大阪市精密住宅地図 淀川区 [1983]』吉田地図 1983 再版 書誌ID 0000657540 p.35
• 『まだある。 -今でも買える“懐かしの昭和"カタログ- 玩具編(大空ポケット文庫)』初見 健一/著 大空出版 2006 書誌ID0011328812 p.84-85
• 『朝日新聞 1999年1月31日 夕刊 大阪』3ページ「1974・ゲイラカイト 和だこ衰退(今日的遺跡探検)」（商用データベース「朝日新聞クロスサーチ」でご覧いただけます）