11月25日(土曜日)、「津村記久子講演会」を開催しました。
定員300名のところ550名を超えるお申込があり、事前抽選での開催でした。
申込時にいただいたご質問を紹介しながら、第一部では『水車小屋のネネ』の創作秘話をお聞きしました。
「10年ごとに40年分を書くということを思いついた時のこと、実際にやってみてどうだったかを教えてください」との質問には、
「長期の連載だったので40年分を節目ごとに書くことにした。書いてみると私は長い話に向いてないと思ったが、
実はこの作品は自分の中では中編集。長編と思ってもらえているならしめたものです。」、
「ネネの言葉で特にお気に入りは?」との質問には、「おつかれさま!」「きゅうり!キャベツ!」、
「執筆中のBGMは?最近好きな音楽は?」との質問には
「音楽はごほうびなので、書くときは聞かない。『ディセンデンツ』というバンドが好き。今日もそのTシャツ」
とのお答えで、着ているバンドTシャツを観客席へ見せてくださるなどして、楽しいお話に会場は終始笑いに包まれていました。
今大変な状況にある10代へ「音楽や漫才、漫画などを色々楽しんで」との温かいお言葉もありました。
参加者から津村さんへのメッセージ集をご紹介した後、
第二部では「本について」「創作の秘密について」「お悩み相談コーナー」「好きなもの」「今後について」の構成で
津村さんご自身についての詳しいお話をお聞きしました。
「アイデアが思いつかない時は?」「ネガティブな感情になった時にどうやってコントロールしていますか?」とのお悩み相談では、
「水を飲んだり、甘いものを食べてみたり、色々試してみる。それでもだめならうつぶせになる。」、
「『現代生活手帖』はウケを狙って書いた?素で書いた?」との質問には「自分にウケるものを書く。限りなく素で書いた。」、
「津村さんが好きな大阪の場所は?」との質問には「船場センタービル!お店ひとつひとつの話が書きたくなるくらい。あそこは宇宙。」
とのお答えで爆笑が湧きおこるなど、
貴重な創作秘話からありのままの日常まで、友だちとおしゃべりするようにお話してくださる中にも、はっとさせられる真摯なお言葉や優しさあふれるアドバイスが満載で、津村さんの飾らないお人柄に会場中が魅せられたひとときでした。
以下は、本講演会開催のお知らせです。
第59回谷崎潤一郎賞を受賞した『水車小屋のネネ』の著者 津村記久子さんの講演会です。 『水車小屋のネネ』の創作秘話やこれまでの作品、津村さんご自身のことについてなど、さまざまなエピソードをお話しいただきます。